トロンボーンの教則本、何をお使いでしょうか?
・先輩からもらったコピー
・初心者講習会でもらった楽譜
・指定された基礎合奏の教則本
いろんなものがありますが
最初に買った教則本を
何年も使っていませんか?
年数を重ねると技術が身につきます。
この教則本、スラスラ吹けるようになった
と感じたら
次の教則本にステップアップしましょう。
今日は、わたしがこれまで使った教則本を紹介します。
参考になれば幸いです。
目次
吹奏楽部の定番教則本
吹奏楽部では、
教則本や基礎練習の楽譜を
統一して使うことが多いと思います。
【よく使われる教則本】
JBCバンドスタディ
3Dバンドブック
ティップスフォーバンド
(朝練:個人のウォーミングアップや基礎練習の教則本)
これらは、バンドのための教則本ですが
ちょっとしたコツで
個人の基礎練習にも使えます。
詳しくは
をご覧ください。
個人練習用の教則本の選び方
最初に選ぶ教則本って
◆トロンボーンの吹き方
◆よく分かるトロンボーン
というかんじのタイトルで
楽器の説明から音の出し方、基礎練習まで
一通り説明したものだと思います。
1冊にすべてが詰まっているので
楽譜の種類はそんなに多くありません。
もしかしたら「譜例」がひとつあって
他の調でも練習しましょう、
と書かれているかもしれません。
初心者のあいだ(1年くらい)は
それを使って
まんべんなくトロンボーンに慣れてください。
そして、慣れたところで、
狭く深い練習に変えます。
練習内容が濃くなるため
1冊の教則本では全て網羅できません。
複数使うのがベストです。
練習内容に応じた教則本を選びましょう!
ということで
内容別に教則本を紹介します。
テクニックを極める教則本
(1)クラーク(テナー、バスどちらでも○)
トランペットの人が
フィンガリングの練習に使う教則本です。
半音階がたくさん出てきます。
トロンボーンの半音階は
スライドが曖昧になりがちなので
音程に気をつけながら練習すると良いです。
(2)レミントン(テナー、バスどちらでも○)
大変有名なリップスラーの教則本です。
これをみたとき「リップスラーってウォーミングアップなんだ」
と思いました。
いろんな倍音の組み合わせが出てくるので
リップスラーが鍛えられます。
(3)コプラッシュ(テナー用、バス用に分かれています)
こちらも有名です。とっても。
曲っぽいものと跳躍や音階をパターン化したもの
いろいろ入ってます。
タンギングや付点のリズム、スラーなど
アーティキュレーションが鍛えられます。
中学生には難しいかもしれません。
音大生は全員さらってると思います。
(4)ブルーメ、ギリス(バス用のみ)
コプラッシュより難易度低め。
中学生でも取り入れやすそうです。
◆ブルーメは基礎練習タイプで曲っぽいものは無し。
F管付きのトロンボーン向け、と題されていますが
主にバストロンボーンの音域です。
昔はF管付き=バス だったのかもしれません。
◆ギリスは短い練習曲タイプ。
こちらは「バストロンボーンのため」と
ハッキリ書いてあります。
曲が短いので、短時間の部活や社会人の練習に使いやすそうです。
アーティキュレーションや調性をコンパクトに練習できます。
※この2冊をテナーの方が使う場合は
オクターブ上げるといいのではないでしょうか。
歌心を極める教則本
(1)ロッシュ(テナー、バスどちらでも○)
言わずもがな、ど定番。
スラーで美しくフレーズを吹く良い練習になります。
いろんな調が出てくるので、調性の雰囲気を味わえるのも◎
バストロンボーンには結構キツイ音域です。
1曲目から難しいのですが、2曲目は意外と平和です。
最初が簡単でだんだん難しくなる・・・という順番じゃないので
出来そうなものを選んで練習すると楽しいかな。
(2)ボルドーニ(バス用というかテューバ用)
こちらはテューバのメロディアスエチュードでしょうか。
バストロンボーンはテューバの教則本も使います。
ロッシュ同様の練習効果ですが、加えて
「替えポジションをどう使うとより美しいフレーズになるか」
という練習ができます。
バストロは替えポジを使う機会が多いので
良い練習になります。
(3)パウデルト(テナー、バスどちらでも○)
「有名なアリア」を作曲したパウデルトさんの
練習曲集。これはテナー用です。
メロディーの形式がはっきりしています。
ダビットっぽい感じの曲もあります。
曲を通じて、タンギングや16分音符をどう吹くべきか?
緻密なアーティキュレーションの練習や
曲を吹き分ける練習にもなります。
そんなに高い音が出てこないので(ハイBくらいまで)
バストロンボーンでも練習できます。
バテるけど、それも練習です!
(4)ペダーソン(バス用)
ジャズトロンボーン奏者トミー・ペダーソンが書いた
ジャズの練習曲集です。
ジャズにおける
・山型アクセントやテヌートの吹き方
・音の進行や拍子感 などが練習できます。
低音域もモリモリ出てきます。
難しくて楽しい本です。
なお、この曲集は3種類あります。
・エレメンタリー(初級)
・インターメディエイト(中級)
・アドバンス(上級)
が、いま入手できるのは
エレメンタリーとアドバンスの2種類のようです。
楽典まで載っている教則本
山本正人:トロンボーン教本
18ページにわたって
トロンボーンの成り立ち、マウスピースの当て方
奏法から楽典(リズムや楽語)まで
ポイントを押さえた説明があります。
(楽器を吹く布が「しか皮」…時代ですね)
ここを読むだけでも価値があります。
さらに、充実の練習曲!
タンギングやスラー、音階を
曲で練習できます。
装飾音符やターン、
アルト記号まであります。
高音や低音の練習方法、注意点も
細かく丁寧です。
1冊でここまで網羅してスゴイ!
と思うのですが
いかんせん昔の教則本なので
説明の部分に古い情報が混ざっている印象です。
新旧を判断しながら使う必要がありそうです。
(練習曲はそのまま使えます)
オススメの組み合わせ
ご紹介した教則本での組み合わせ
ウォーミングアップ:レミントン
テクニック練習:ブルーメ+ギリスもしくはコプラッシュのみ
メロディ練習:ロッシュかボルドーニ
全般の理解、補足練習:山本正人
構成としては
ウォーミングアップの教則本
テクニックの教則本
メロディの教則本
3種類の教則本を使い分けるイメージです。
プラス楽器の扱い方や
楽典の本もあると良いと思います。
まとめ
楽器で音が出せて
ロングトーンや音階
タンギングやスラーができるようになったら
つぎは「曲を演奏するため」の練習が必要です。
たとえば、バスケットボールで
ドリブル、シュートができたら
その次はメンバー同士で練習試合を行うなど
実践的な練習を重ねて
実際の試合で勝てるように訓練しますよね。
楽器も同じです。
より良い演奏ができるように
いろんな教則本を使って、練習の幅を広げていきましょう!
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