高音域はトロンボーンの魅力の一つですが
悩みのタネでもあります。
Gより上が出ない
外しそうで怖い
唇がすぐにバテる
詰まった音がする
ピッチが定まらない などなど。
今回は、高音域をラクに出すポイントを
ご紹介します。
ぜひお試しください。
(目次)
高音域を吹くときの息のスピード、方向、幅をチェック
「中音域を吹くときの息」を「標準」とすると
高音域ではどのように変わるでしょうか?
マウスピースで
低音→高音→低音の順にリップスラーを行い
(音はなんでもOKです)
息の変化をチェックしてみましょう。
音程をシビアに取ることより
息を流し続けてリップスラーで異なる音域を
往復することを意識してください。
(タンギングで息を区切らないように!)
高音に向かって、息はどのように変化したでしょうか?
するどく・幅はタイトに・向きは下になりましたか?
もし音を動かしにくかったら
「するどく、幅はタイトに、向きは下」を意識して
吹きやすくなればOKです。
高音域で使うタンギング(発音)はti
音の最初には「t」の発音を使いますが、
音域により母音(aiueo)が異なります。
声に出して感じてみてほしいのですが
◆a,o⇒口の中が広く
◆i,u,e⇒口の中が狭くなります。
※口の中には喉の開きも含みます。
高音域では「速く、タイト」な息を使うため
口の中が広くなると逆効果です。
そこで口の中が狭くなるi,u,eのどれかを使います。
この3つを比べてみましょう。
u:唇が突き出る=息がまっすぐ前に出るので
高音域で使う「下向きの息」になりません。
iとe:どちらも下向きに出ますが
iのほうがスピードが速く、まとまった息になります。
ということで
高音域のタンギング(発音)はtiが適しています。
と言っても、体格は人それぞれですから
ti だと上手くいかない場合もあると思います。
実際に声に出したり、楽器で音を吹き比べて
ご自分にしっくりくる発音を見つけてください。
高音域をラクに出すオススメ練習方法
出ない音、うまく出ない音は、1つずつ丁寧に練習しましょう。
《Fまでしか出ないのに、楽譜にAが出てきた!》
そんな時は、F→Fis→G→Gis/As→Aと
一音ずつ階段を登るように
練習していく必要があります。
名付けて「横の倍音グリッサンド練習」
レガートとリップの記事で倍音の説明をしました。
倍音とポジションの一覧、「縦に見る」と書いていますが
今回は「横に見て」音域を広げる練習に使います。
前述の「Fは出る・Aを出したい」場合、一番下の段を使います。
6ポジのFからAを通り越してBまで
息の圧力を高めながら、グリッサンドでせり上がります。
音を持ち上げるイメージです。
※「B」まで練習することで
曲の中に出てくる「A」の成功率が上がります。
このとき
唇を閉じすぎ・肩に力が入る など
息の流れを妨げてしまうと
音が高くならずに、下の倍音列に落ちてしまいます。
tiの発音・息のスピードを意識して練習してください。
無理に行わず、疲れたら必ず休憩することが大切です。
(なんでも極端にやり過ぎると良くありませんので・・・)
まとめ
トロンボーンは
ペダルトーンからハイトーンまで出せる
音域の広い楽器です。
ざっくり言うと
五線の上中下に音域があります。
すべての音域を
同じ息、同じタンギングで吹くと
音が当たらなかったり
音色が悪くなります。
音域に適した息とタンギングが
ラクにきれいな音を出すポイントです。
ハイトーンの練習はバテるので
◆無理しすぎない
◆休憩する
◆短時間の練習を反復する
ようにしてくださいね。
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