トロンボーンのスラーでは
レガートタンギングとリップスラーを
音によって使い分けます。
前回、レガートタンギングと
スライドワークについて書きました。
今回はさらに!
レガートタンギングとリップスラーを
どのように使い分けるか
ご紹介します。
たとえば、
1ポジFと4ポジGのスラーで
レガートタンギングしてしまうと
どんなに注意深く吹いても
スラーは切れます。
なぜなら
FとGでは倍音が変わるから。
倍音が変わるときは
リップスラーを使うのです。
レガートタンギングとリップスラー
適切な使い分けには、倍音の理解が必須です!
目次
倍音を縦と横にグループ分けして考える
倍音とポジションの一覧を見てみましょう。
◆縦の倍音(赤で囲んでいる音)
同じポジションで高さの異なる音が出る。
リップスラーで繋ぐことができるが
グリッサンドはできない。
◆横の倍音(同じ行に並んでいる音)
1ポジションごとに半音変わる。7個の音が出る。
リップスラーで繋ぐことができないが
グリッサンドはできる。
音名で並べてみます。
音が網の目状に並んでいるイメージです。
※さきほどのF⇒Gは
1ポジ2段目⇒4ポジ3段目に移動することになります。
縦横で決まるレガートタンギングorリップスラー
スラーが横の倍音のとき
タンギングしないとグリッサンドになってしまうので
レガートタンギングをします。
縦の倍音のときはリップスラーです。
タンギングしなくてもグリッサンドにならないため
ノータンギングでも間の音が入りません。
縦の倍音のときにレガートタンギングしてしまうと
音が切れすぎてスラーになりません。
習うより慣れろ、ということで
次の練習を行ってみてください。
ポジションの異なるリップスラーを練習
リップスラーでポジションを移動する練習です。
(taはタンギング、aはリップスラーです)
このスラーをレガートタンギングで吹くと
スラーは切れてしまいます。
感覚が掴めるまでゆっくり練習してみましょう。
レガートタンギングとリップスラーは発音を変える
前回の記事でも出した譜例ですが
Bdurでスラーの練習です。
スライドワークに注意しながら
レガートとリップ、正確に使い分けてください。
スラーの最初は、タンギングするのでta
レガートは柔らかいタンギングなのでla
リップスラーはタンギングしないのでa
慣れるまで、発音が確認できるテンポで
繰り返し練習してください。
まとめ
スラーについて
と2本立てでご紹介しました。
トロンボーンのスラー奏法は複雑なので
仕組みを理解して練習することが必要です。
仕組みを理解せず、感覚的に練習すると
スラーが中途半端になるかもしれません。
曲に出てくるスラーのフレーズも
譜読みの段階で
レガートタンギングとリップスラーを
区別しておくといいですね。
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